電験3種|電気主任技術者WEBで合格

電気電子工学科1回生だった僕が7ヶ月で電験3種・電験2種の一次試験・電気工事士2級を合格したまとめをブログにします

【電験3種:電力】流況曲線を理解する

流況曲線とはなんぞや。

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流況曲線とは、水力発電所を建てる計画の際に欠かせないデータです。流況曲線を見ることで、水力発電所の発電電力量やどれくらい利用するかなどを決めることに利用されます。流況曲線は、河川で流れる毎日の流量を、横軸を時間(日数)にとって、流量の大きいものから並べていくことで作図します。この流況曲線をみると、流量に対する運転が可能な日数が把握することができます。電験3種では、流況曲線の軸・なんのための曲線かを覚える必要があります。また、図に書かれている、渇水量・低水量・平水量・豊水量を覚えておきましょう。

  • 渇水量=1年のうち355日はこれより下がらない流量
  • 低水量=1年のうち275日はこれより下がらない流量
  • 平水量=1年のうち185日はこれより下がらない流量
  • 豊水量=1年のうち95日はこれより下がらない流量


電力の水力発電を押さえるには以下の記事も読んでおくと点数UPにつながります。
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【電験3種:電力】水力発電所を運用の仕方で分類し、種類と特徴を押さえる

水力発電所の運用の仕方の概要を押さえる

水力発電所の運用方法で重要なのが4つあります。流込み式発電所、貯水池式発電所、調整池式発電所、揚水式発電所です。ここで覚えて欲しいキーワードは、水位調整器、貯水池と調整池の違い、揚水と発電をするタイミングを念入りに覚えておくことが重要です。

流込み式発電所

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(出典:電気事業連合会)
流込み式発電所は一言で言うと、自然流量で発電する水力発電所のことです。発電方法としては、川の自然流量を貯水せず流れるままに流量を取り込み、水車に使用します。水位調整器と呼ばれる水槽の水位を一定に保つように水車へ流れる水量を調整する装置が設けられているのが特徴。電験3種では、水位調整器を持っていることとその意味、川の流れを自然に取り込むので貯水池を持っていないことを覚えておきましょう。

貯水池式発電所

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(出典:電気事業連合会)
貯水池式発電所は一言で言うと、季節の流量の貯水で発電を行う水力発電所のことです。水を貯水するための貯水池持っていて、比較的短い期間にある負荷の変動に応じて、発電を行う。例えば、梅雨の様な豊水期に水を貯水し、全く雨の降らない渇水期に放水することで足りない電力を補うことができる発電所です。電験3種では、貯水池式発電所では貯水池を持っていること、豊水期に水をため渇水期に放流することで足りない電力を補うことができる水力発電所だということを押さえておきましょう。

調整池式発電所

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(出典:電気事業連合会)
調整池式発電所は一言で言うと、負荷の変動に応じて使用水量が調整できる様な貯水池を持つ水力発電所のことです。貯水池式発電所との違いは、調整する期間の長さです。貯水式発電所は比較的長期的な負荷変動に対応する。梅雨とかカラっからの夏とか季節的な。。それに対して、調整池式発電所は、1〜7日間程度の短期間で負荷変動が起きた場合に調整します。電験3種では、貯水式発電所と調整池式発電所の違いは長期的な調整なのか、短期的な調整であることが合格への一歩です。

揚水式発電所

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(出典:電気事業連合会)
揚水式発電所は一言で言うと、下の貯水池から上の貯水池に揚水し、揚水流量で発電を行う水力発電のことです。深夜や週末などあまり電力を使わない軽負荷時の余った電力(余剰電力)を使用して、下の貯水池から吸い上げて上の貯水池に貯水する。そうすることで、平日の昼間の様な電力を使いまくる重負荷時に上の貯水池から落差を利用して発電を行うのが揚水式発電所です。私がこれを初めて知った時感動しました。こんな発電方法もあるのか!という様な感じですw揚水式発電所はとても重要です。電験3種では軽負荷時にポンプで水を下から上に吸い上げて、重負荷時に位置エネルギーを使って発電することを押さえておけば点数につながります。

また、水力発電所の運用の仕方と共に、水車の仕組みについて理解すると段々と水力発電所についての理解が深まると思いますので、ペルトン水車とフランシス水車を理解し、その他小水力発電を覚える。も御覧ください!
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【電験3種:電力】ペルトン水車とフランシス水車を理解し、その他小水力発電を覚える。

水力発電所の水車について

水力発電所は、水の流れ落ちる落差を利用してエネルギーを生み出し、水車を回して発電を行っています。その中でも、発電出力が1000kW以下のものを水力発電といいます。
水車は大きく分けて2つに分けることができます。「衝動水車」と「反動水車」です。
衝動水車は、圧力エネルギーを速度エネルギーに変えることによって水車を動かし、発電を行うものです。主に、高落差の場所で利用されます。その中でも電験3種ではペルトン水車を完璧に押さえることが点数に繋がります。
反動水車は、圧力エネルギーを水車に作用させ、発電を行う水車です。主に、低落差〜中落差の場所で利用されます。その中でも電験3種ではフランシス水車を完璧に押さえることが点数に繋がります。他にも、衝動水車と反動水車の両方の特性を持っているクロスフロー水車も押さえましょう。

ペルトン水車の特徴と仕組み

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(出典:中部電力)
ペルトン水車は、衝動水車に分類される。ノズルから噴射される水流をバケットと呼ばれる椀状のものに衝突させることで、羽根車(ランナー)が回転し、電力を作り出す水車である。ある程度の落差を必要とするが(高落差)、非常に少ない水量から利用することができる。
ペルトン水車は、ニードル弁と呼ばれるもので流量を調整することができるため、電力量を調整することができる。

フランシス水車の特徴と仕組み

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(出典:中部電力)
フランシス水車は、反動水車に分類される。水流はランナーの周りから中心に向かって流れ、水圧によってランナーを回転させることで電力を生み出す。ガイドベーンと呼ばれるもので流量を調整することができるため、電力量を調整することができる。主に、高落差から低落差までの広い範囲で利用され、構造も簡単なことから、中小水力発電で多く利用される。

水力発電

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(出典:中部電力)
クロスフロー水車だけを覚えておけば、電験3種では対応できる。流量変化の大きいところに適している。衝動水車だが、ガイドベーンにより流量を調整するため、反動水車の特性も持っていると言える。